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1を聞いて10の理由を考える


【至言】
『「1を聞いて10を知る」ではなくて「1を聞いて10の理由を考える」』正垣泰彦 サイゼリヤ社長

【解説】
 イタリア料理店チェーンのサイゼリヤを飛躍的に成長させた正垣泰彦社長は、徹底した理詰めの発想の持ち主である。売れる理由やおいしいと感じる理由をとことんまで掘り下げて考え抜く。「なぜなのか」。その問い掛けを続け、理由をいくつも列挙する。そうすることで本質に迫る。
 「創業当初は自分の好みで経営していた。僕がおいしいと感じるからこれを売るんだ、とね。でも、好みに頼るのでは、売れるものは売れるけど、売れないものは売れない」
 平凡なビジネスパーソンは「おいしければ売れる」「デザインが良ければ売れる」と単純に考えがちだが、その判断には「自分の好み」という主観が入っている。
 しかし、ビジネスを成功させるためには、自分の好き嫌いを押し通すことはできない。収益を上げるために重視すべきは、自分ではなく、顧客の好き嫌いだ。だから正垣社長は主観を排除し、客観的に売れるかどうかを見極める。そのために「なぜ」を繰り返す。
【チェックポイント1】
□ 売れているものを見つけたら、その理由を徹底的に考え抜く。
【チェックポイント2】
□ 自分の好み(主観)を排除し、顧客の好み(客観)だけを考える。
【チェックポイント3】
□ 「良いものを作れば売れる」と考えるのは「思考の手抜き」である。




(c)日経BP社 2008
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「心にとめておきたい名経営者の至言」
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