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考えることを怠らない


【至言】
『誰に教わったわけでもなく、「こうしたら性能が上がるんじゃねえか」「あれとこれを組み合わせたら良くなるんじゃねえか」と考えた。
手先が器用だからできたのではなく、あれこれ考えることが好きだった。』岡野雅行 岡野工業代表社員

【解説】
 岡野工業の岡野雅行氏は、日本一有名な「町工場のオヤジ」と称される。金属部品を加工する「深絞り」の卓越した技術を持ち、先端製品の開発案件が大企業から次々と持ち込まれる。ほかの誰にもできなかった加工が岡野工業ならできる--。いつしか同社は金属部品開発の「駆け込み寺」として頼りにされる存在となった。
 その技術力は「考える」ことによって磨かれた。岡野氏は、同業他社と同じことをやっていては仕事が来なくなると考え、素材や加工技術、加工用油剤の調合などの研究を続けた。あれこれ考えながら、ステンレスやチタンなどの硬い金属を深絞りする技術を磨いたのである。せっかく腕を磨いたのに、いつしか新技術の吸収に消極的になってしまう職人が少なくない中で、岡野氏の知的探求心は無尽蔵だった。
【チェックポイント1】
□ 卓越したワザの裏側には、「考え抜いた理屈」が隠されている。
【チェックポイント2】
□ 人から教えてもらわないと前に進めないようでは、進歩することは絶対にない。
【チェックポイント3】
□ 考えることは、「その他大勢」から抜け出すための最大の武器である。




(c)日経BP社 2008
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「心にとめておきたい名経営者の至言」
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