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他人の思考をまねる


【至言】
『デッドコピーを繰り返すことで、独学なら10年かかって会得するような設計の神髄を短期間で自分のものにできる。』酒巻 久 キヤノン電子社長

【解説】
 子供が大人のまねをして成長するように、ビジネスパーソンが本当のプロの思考を身につけるためには、それぞれの分野にいる一流の人の考え方をまねすることが近道だ。優良企業の仕組みや名経営者の発想を研究すれば、成功の本質が見えてくる。
 キヤノン電子を高収益企業に変身させた酒巻久社長は、キヤノンの技術者だったころ、シンプルで美しい「名機」のデッドコピーを何度も繰り返した。作った人の「設計思想」を自分のものにするためだ。
 複写機の開発に携わっていた時代には、その分野で圧倒的な強さを誇った米ゼロックスの特許を徹底的に研究した。良い特許は申請文書が簡潔明瞭でありながら、その適用範囲は広く、ライバルには突破が難しい。手ごわい特許を何度も書いて暗記し、言葉遣いや言い回しを学んだ。そうした「まね」を繰り返すことによって、自分が出願する特許も、他社には突破が難しいものになったという。
【チェックポイント1】
□ 一流の思考をまねることは、自分を成長させる近道である。
【チェックポイント2】
□ 中途半端にまねるのではなく、徹底的にまねて、込められた思想をくみ取る。
【チェックポイント3】
□ 最初は「模倣」から始め、後に「独創」を生み出せばよい。




(c)日経BP社 2008
日経BP社
「心にとめておきたい名経営者の至言」
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