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思い切って土俵を変える


【至言】
『悪い循環から脱するには、全然別の場所に移り、全く新しいところで仕事をしたらどうかと考えたんです。』小倉昌男 ヤマト運輸元会長

【解説】
 壁にぶつかっても歯を食いしばって努力すれば、道は開ける--。成功者の多くはこうアドバイスする。しかし、ヤマト運輸元会長の、小倉昌男氏はどうしても越えられない壁にぶつかったときは環境を変えるのも一つの手であると考えた。
 ヤマト運輸は1976年、家庭や事業所に小口の荷物を届ける宅配便を業界に先駆けてスタートさせた。その時、小倉氏には、こうした考えがあった。もともと同社は、生産現場から小売店まで荷物を運ぶ、一般的な商業輸送を主力としていた。しかし、労使紛争のこじれや競合相手の出現といった悪材料が重なり、業績が悪化。設備投資が滞り、さらにライバルに差をつけられるという悪循環に陥っていた。追い詰められた小倉氏はすべての環境を変えることを決断。活路を求めたのが、民間運送会社による家庭向け小口輸送という、誰も手を付けていない分野だった。
【チェックポイント1】
□ どんなに努力をしても壁を越えられないときは、環境を変えることも一つの方法。
【チェックポイント2】
□ 人も組織も、いったん悪循環に入ると、簡単には抜け出せない。
【チェックポイント3】
□ 誰も手を付けていない分野はリスクも大きいが、可能性も無限大である。




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「心にとめておきたい名経営者の至言」
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