ターゲットを大胆に変える
【至言】
『小さな子供を狙うという玩具業界の常識に背を向けて、中学生や高校生に売れる製品を開発すれば、きっと子供たちにも売れるに違いないと考えた。
これが当たった。』山内 溥 任天堂相談役
【解説】
今ではゲーム機メーカーの代名詞となった任天堂だが、1970年代までは花札やトランプを主力商品とする会社だった。3代目社長の山内溥氏はエレクトロニクス技術の進歩に着目し、「ゲーム&ウオッチ」などを次々と商品化した。そして83年に「ファミリーコンピュータ」を発売する。まだパソコンが普及していない時代、テレビにつなげばゲームが楽しめるファミコンは大ヒット。これで任天堂は爆発的な成長を遂げた。
ファミコンの最大の特徴は、大人も遊べる玩具という新ジャンルを切り開いたことだ。ハードからは余計な機能を一切省いて玩具の価格帯を維持する一方で、ソフトはカセット式で好きなものを選べるなど、大人でも楽しめるようにした。玩具といえば子供のもの--誰もがそう考える中で、ターゲットを大胆に変え、巨大市場をつくり上げた。
【チェックポイント1】
□ ターゲットを変えてみると、新たな市場が見えてくる。
【チェックポイント2】
□ 「多機能で高価格」よりも「単機能で低価格」の方がコンセプトは明確。
【チェックポイント3】
□ 消費者が求めているものは何かを深く見極める。
(c)日経BP社 2008
| 日経BP社 「心にとめておきたい名経営者の至言」 JLogosID : 8516627 |