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素直な視点で物事を見る


【至言】
『人口統計を見て、コンパクトカメラが普及していた国の人口を足して、地球の総人口で割ってみた。
そうすると、たった13%しかない。
87%が未開拓の市場は紛れもなく有望と判断した。』後藤 正 GOKOカメラ会長

【解説】
 GOKOカメラはもともと、8ミリフィルムの編集機などを生産していた。ところがビデオカメラが登場したために8ミリフィルム関連の市場が消滅に向かい、重大な経営危機にさらされた。その時、後藤正会長は、新事業としてコンパクトカメラに狙いを定めた。
 「いける」と判断した根拠は、ごく簡単な割り算の結果だった。当時、日本ではコンパクトカメラは既に成熟製品との見方が大勢を占めていたが、後藤会長はその将来性を客観的に見つめ直した。そして、誰もが見逃していた巨大市場を発見したのである。
 せっかくチャンスが目の前に開けていても、見栄や先入観があると、見過ごしてしまうことがある。逆に、素直な視点で物事を見ると、今まで見えていなかったものが見えてくる。
【チェックポイント1】
□ 「成熟市場」と言われる商品でも、まだ市場がたっぷりと残っていることがある。
【チェックポイント2】
□ 状況を数値化して考えるには、基礎的な計算力があれば十分である。
【チェックポイント3】
□ 「他人の思い込み」よりも、自分で確かめたデータを信用するべきである。




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「心にとめておきたい名経営者の至言」
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