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コストを減らし戦略の原資をつくる


【至言】
『経営とは「余計なコストをなくす」ことなんだ。』松井道夫 松井証券社長

【解説】
 経営とは何かと聞かれれば、多くの人は「資本を活用して事業を展開し、戦略に工夫を凝らしながら収益を上げ、資本を膨らませていくこと」などと答えるだろう。ネット証券の草分け、松井証券の松井道夫社長は、全く違う視点で発想する。
 松井社長が考える経営の本質はコストを減らすことだ。松井証券は1990年代、業界に先駆けてネット取引のシステムを構築した。中小証券会社にとってその投資額は大きなものだったが、それが可能だったのは90年代初頭、外交セールスを廃止し営業のコストをゼロにして、原資を蓄えていたからだ。
 どんな経営者でも、資金が潤沢なら、大胆な戦略を実行できる。しかし、そのための資金をつくれる経営者は少ない。いかに「ゼロにできるコスト」を探し出し、戦略のための資金をつくれるかが経営の本質というわけだ。
【チェックポイント1】
□ 競争に勝つためには、ムダを削り、戦略を実行する資金と時間をつくる。
【チェックポイント2】
□ 意識しない限り、コストが減ることはない。
【チェックポイント3】
□ どんなに効率的に見える組織でも時間が経てば必ずムダが生まれる。




(c)日経BP社 2008
日経BP社
「心にとめておきたい名経営者の至言」
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