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横並びの戦略は避ける


【至言】
『今のインターネット産業は、目の前に膨大な市場が広がっているという点において、戦後日本の高度経済成長に似ている。
高度成長期に成功した会社のモデルは日本的経営だ。』藤田 晋 サイバーエージェント社長

【解説】
 人材の流動が激しいIT(情報技術)業界では、「従業員は使い捨て」とばかりに欧米型のドライな経営を標榜する経営者が少なくない。そうした中、ネット広告業、サイバーエージェントの藤田晋社長は、従業員を大切にする日本的経営を掲げる。
 実は藤田社長もネットバブル時代には成果主義を中心とする欧米流の経営を否定していなかった。しかし、バブルの崩壊をきっかけに社員が大量に辞職、会社が揺らぐ中で、「たとえIT業界であっても、育てた即戦力に辞められ続けては安定して成長できない」と考えるようになる。会社のある東京・渋谷から2駅以内に住んでいる社員には毎月3万円の家賃補助を出す「近距離手当」など、社員を辞めさせないための様々な施策を導入した。
【チェックポイント1】
□ “業界の常識”に従うだけの戦略は成果を生まない。
【チェックポイント2】
□ 欧米流=効率的、日本流=時代遅れという考えはステレオタイプにすぎない。
【チェックポイント3】
□ 人材不足が深刻な今こそ、終身雇用を中心とする日本流経営が有効。




(c)日経BP社 2008
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「心にとめておきたい名経営者の至言」
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