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うまい話はないと知る


【至言】
『そんなうまい話はあるわけがない。
そう単純に思ったんです。
契約前日に一人でキャンセルの連絡に行き、関係者に何時間も取り囲まれたが、「買えません」「すみません」でやり過ごしました。』篠原欣子 テンプスタッフ社長

【解説】
 バブル景気の最中、人材派遣会社のテンプスタッフで本社ビルを買う話が持ち上がった。だが篠原欣子社長は契約前日にキャンセルした。「土地の値上がりは続くから、万が一、借金が返せなくなっても売ればいい」。そんなセールストークが気になって、考え直した。
 人はしばしば「みんながやっているから、私もやる」などという安易な判断をすることがある。「本当に大丈夫だろうか」と心配になったら、自分の判断を大切にしよう。冷静に見つめ直すと問題点が見えてきて、それが気になるようなら、黄信号どころか赤信号ととらえるべきである。
 好調なときに儲かりそうな話が舞い込むと、「今なら成功しそうだ」と軽はずみに行動しやすい。しかし、経済環境などがちょっと変わっただけで、その判断が落とし穴になることがある。
【チェックポイント1】
□ うまい話には「甘い期待」「都合のいい仮定」などの裏がある。
【チェックポイント2】
□ 「おかしい」と感じたときは、自分の直感を大切にすベし。
【チェックポイント3】
□ バブルは繰り返し発生し、そのたびに人々の判断を誤らせている。




(c)日経BP社 2008
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「心にとめておきたい名経営者の至言」
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