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自分の分身を育てる


【至言】
『孫悟空の話ではありませんが、自分の毛を何本か抜いて、ふっと息を吹きかけると、自分の分身が現れる。
そのくらい自分と同じ気持ちになって、責任を分担してやってくれる人が欲しいと思いました。』稲盛和夫 京セラ名誉会長

【解説】
 給料さえもらえればいいと考える社員は、上司が指示したことしかやらない。仕事のできが悪くても、叱られない限り、改善しようとしない。社員の力を引き出す工夫がない会社は、必ずそうなる。
 ましてや、自分でリスクを取って会社を経営しているオーナー経営者とそこで雇用されている人の意欲は天と地ほども違う。その溝を埋めるにはどうすればいいか、多くの経営者は悩む。
 京セラ創業者の稲盛和夫氏は「アメーバ経営」という経営手法を編み出し、社員の意識を変えた。社内のビジネスを細分化し、それぞれに責任者を立て、“組織のオーナー”として取り仕切ってもらう。すると、経営者マインドが育ち、それまではムダがあっても放置していたことを「もったいない」と思うようになる--。
 責任感を持って働く自分の分身をつくれば、自分自身はさらに前進できるのだ。
【チェックポイント1】
□ 責任を背負っている上司とそうでない部下の意識は天と地ほども違う。
【チェックポイント2】
□ 責任感を持って働く社員を育てるために、小さな組織を仕切らせる。
【チェックポイント3】
□ 責任者に任命されると、仕事が面白くなり、経営者意識が芽生える。




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「心にとめておきたい名経営者の至言」
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