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組織の潤滑油として笑いを取る


【至言】
『あえてバカを演じてみせるのも社長の務めだと思うのです。』鈴木 喬 エステー取締役会会長兼執行役

【解説】
 組織のリーダーになれば、冷酷な指示を出さねばならないこともある。経営者なら心を鬼にしてリストラを断行すべきときも必要だ。しかし、リーダーがただ厳しいだけでは組織は暗くなってしまう。そんな場合、エステー取締役会会長兼執行役の鈴木喬氏は、「あえてバカを演じてみせるのもリーダーの務め」と考える。
 1998年、鈴木氏が兄からエステーの経営を引き継ぎ、社長になったとき、業績は低迷を続けていた。取扱商品が多すぎて開発や営業の力が分散していたためで、就任早々、商品点数の削減をはじめとする厳しいリストラに手を付けざるを得なかった。ただし、鈴木氏はドライな方針を次々に打ち出す一方で、社内を歩き回り冗談を飛ばして社員の気持ちを和らげ続けた。
 笑いに勝る組織の潤滑油はない。同社はその後、早期での業績回復を果たすことになった。
【チェックポイント1】
□ 緊張感の維持はリーダーの役目だが、それだけでは組織は機能しない。
【チェックポイント2】
□ メンバーの気持ちを和らげ、リラックスさせる。
【チェックポイント3】
□ 笑いに勝る「組織の風通しを良くする薬」はない。




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「心にとめておきたい名経営者の至言」
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