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緊張感なき組織は何も生まない


【至言】
『「和して厳しく」が新しい市場をつくった。』島野喜三 シマノ会長

【解説】
 経営であれ、スポーツであれ、チームで戦う以上、組織の中に不協和音があってはならない。だが、仲が良いだけのぬるま湯体質でも大きな成果を残せない。固い絆で結ばれながらも、好敵手として切磋琢磨し合う--。こんな理想的なチーム状況を、自転車部品・釣り具の世界的メーカー、シマノの島野喜三会長は「和して厳しく」と表現した。
 1980年代初め、同社がマウンテンバイク部品の生産に乗り出したとき、その開発は困難を極めた。従来、道路を走る目的で作られた自転車を、山の中で乗れるようにするには、設計を全面的に見直す必要があったのだ。
 壁を乗り越えられたのは、シマノが「和して厳しく」の組織だったから。「非常識な乗り方でも壊れない部品を作る」という目標で一致団結すると同時に、話す相手が上司であろうが臆することなく意見をぶつけ合い、2年間激論を交わした。それが、新たな自転車市場を切り開く土台となったのである。
【チェックポイント1】
□ 組織は、不協和音があっても、「仲良しクラブ」であっても、成果を残せない。
【チェックポイント2】
□ チーム内の人間は、仲間であると同時に好敵手であるべし。
【チェックポイント3】
□ 本音が言えない風通しの悪い組織では、新しいものは生み出せない。




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「心にとめておきたい名経営者の至言」
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