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「蟻の一穴」を許さない


【至言】
『「ウソだけれども、理にかなっているからよい」という理解の仕方を許した瞬間に、すべては終わるのです。』渡なべ美樹 ワタミ社長

【解説】
 ウソに限らず、不誠実な振る舞いは、それがどんなに些細なことでも、また、どんなに正当な理由があっても、いったん許してしまうと際限なく広がり、蟻の穴から堤が崩れるように組織全体が腐敗する。ワタミの渡なべ美樹社長はこう考える。
 介護事業を始めたとき、渡なべ社長は、このビジネスに法令違反に陥りやすい場面が多いことを知る。現場では「理にかなっている」と考えられる介護の仕方が現行の法令ではルール違反になってしまうという場合が少なくなかった。同業他社の中には、実際にはグレーゾーンの介護をしながら、現実とは異なる報告を提出し規制を逃れる企業もあった。
 しかし、渡なべ社長は担当者に、たとえ損をしても法令に従うように指示した。「法令に無理があるから仕方がない」などと言い訳してウソを認めてしまえば、組織全体がウソに鈍感な体質となり、会社を揺るがす不祥事の源になると考えたからだ。
【チェックポイント1】
□ ビジネスの世界に「ウソも方便」はあり得ない。
【チェックポイント2】
□ 合理性を犠牲にしてでも、守らなければいけないルールがある。
【チェックポイント3】
□ ウソをついて失った信頼は、ほぼ取り戻すことはできない。




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「心にとめておきたい名経営者の至言」
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