100辞書・辞典一括検索

JLogos

42

ルールや罰則に頼らない


【至言】
『コンプライアンス室を作って、分厚いマニュアルを配るだけで、不祥事を防げるなんてあり得ない。
倫理観を組織の一人ひとりに植え付けないと。』飯田 亮 セコム取締役最高顧問

【解説】
 相次ぐ企業不祥事を前に、多くの経営者が対策マニュアルの作成に力を入れている。しかし、セコムの飯田亮取締役最高顧問は、どんなに厳しいルールを作っても、それだけでは、不祥事を防ぐことはできないと断言する。
 警備会社として“安全を売る”同社だが、1962年の創業のころは、従業員が警備先で窃盗事件を起こすなど不祥事に悩まされた。飯田氏が悩んだ末に考えだした対策は、ルールや罰則を作ることでなく、「トップの自分が、よりストイックにまじめにやること」「社員と顔を突き合わせて話をすること」の2点だった。
 「企業不祥事を防ぐ唯一の方法は、一人ひとりに倫理観を植え付け、『これを盗んだら飯田に悪いな』と思ってもらうしかない」というのが今も昔も飯田氏の変わらぬ考えである。
【チェックポイント1】
□ いかに厳格なルールを作っても、守られなければ意味はない。
【チェックポイント2】
□ 人間は弱い生き物であり、厳しい罰則があっても、道を踏み外す。
【チェックポイント3】
□ ルールだけでは人の行動を変えることはできない。




(c)日経BP社 2008
日経BP社
「心にとめておきたい名経営者の至言」
JLogosID : 8516675