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エージェンシーコスト
【えーじぇんしーこすと】


Agency Cost

ある行為主体(本人、プリンシパル)が、代理人(エージェント)に自分のために活動することを委任する場合、代理人は本人の利益を最大限に高めることが期待されるにもかかわらず、本人と代理人の間で利害が一致しない場合や情報が不完全な場合に、代理人自身の利益を重視した行動をとることがある。これによって発生する損失をエージェンシーコストという。具体例として、株主(プリンシパル)と経営者(エージェント)の関係がある。株主は企業経営に関する意思決定を経営者に委ねているが、情報が不完全だと株主は経営者の行動を詳細に知ることはできない。また、株主の利益と経営者の利害は必ずしも一致しない。必要以上に豪華なオフィス、経営者の自尊心を高めるための規模の拡大や、敵対的買収を仕掛けられたとき、買収提案が企業価値を高めるものであっても経営者が保身のために買収防衛策を発動すること等は、株主の利益に反する。こうした場合にエージェンシーコストが発生する。




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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