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経常収支
【けいじょうしゅうし】


Current Account Balance

経常収支とは、居住者非居住者間の取引のうち、金融資産負債に関わる取引以外の経常取引に伴って生じた受け払いおよび収支動向について記録した統計である。経常収支は、モノに関わる輸出入を記録した「貿易収支」、国際間のサービス取引の受け払いを計上した「サービス収支」、国際間の直接投資や証券投資といった投資収益などの受け払いを計上した「所得収支」、政府の無償資金協力や、国際機関の分担金などを計上した「経常移転収支」という4つの項目から成り立っている。経常収支は、財務大臣からの委任を受けて日本銀行が集計を行う国際収支統計に収録されている。国際収支統計とは、居住者非居住者との間で行われたあらゆる経済取引を体系的に記録した統計である。国際通貨基金IMF)が定めた「国際収支マニュアル」という国際収支統計を作成する際の国際的なルールに基づいて集計されているため、各国間のデータは比較が可能となっている。なお、各国の経常収支の大きさを比較する場合は金額だけを見るのではなく、経済規模(名目GDP)と比較して見るのが望ましい。
国際収支統計は、「経常収支」に加えて、居住者非居住者との間で行われた金融資産負債の取引などを計上する「資本収支」と、通貨当局が管理する対外資産の増減を計上する「外貨準備増減」、推計誤差の調整項目である「誤差脱漏」といった4項目によって構成されている。これら4項目には、「経常収支+資本収支+外貨準備増減+誤差脱漏=0」という関係がある。




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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