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ケインズ理論
【けいんずりろん】


Keynesian Theory

ケインズの「雇用・利子および貨幣の一般理論」(1936)を中心に展開された理論で「有効需要の原理」がその根幹にある。ケインズの登場までは、「供給が需要を創る」というセイの法則を根幹とし、自由な市場活動を重視する古典派理論が中心だった。しかし、1929年の大恐慌で市場の調整機能の限界が露呈したことなどを背景に、ケインズは「需要が供給を決定する」という有効需要の原理を元に需要サイドの重要性を説いた。ケインズ理論では、物価や賃金は硬直的であると仮定する。その場合、需要が減少すると供給側は価格を引き下げずに生産量を引き下げることによって需要の減少に対応するため、古典派のいう完全雇用は達成されないことになる。そこから、有効需要を財政・金融政策によって適切に調整し、完全雇用を達成しようとする総需要管理政策という考えが生まれた。総需要管理政策の考え方に立つと、不況時には拡張的な財政・金融政策つまり減税や公共投資、金融緩和が必要ということになる。




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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