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国際収支発展段階説
【こくさいしゅうしはってんだんかいせつ】


Balance of Payments Stages Hypothesis

経済発展に応じて、国内貯蓄と投資のバランスが変化し、長期的に国際収支構造が変化していくという考え。経済発展に伴って、&wc1;未成熟な債務国→&wc2;成熟した債務国→&wc3;債務返済国→&wc4;未成熟な債権国→&wc5;成熟した債権国→&wc6;債権取り崩し国という順で発展していくとされる。&wc1;未成熟な債務国の段階では、経済発展の初期で国内貯蓄が不十分なため、投資のために海外からの資本流入が必要で、経常収支は赤字となる。&wc2;成熟した債務国の段階では、国内産業の成長から貿易収支は黒字となるが、それまでの債務の返済のため所得収支は赤字が続き、経常収支は赤字が続く。&wc3;債務返済国の段階では、貿易収支黒字が拡大し、所得収支の赤字を上回ることで、経常収支は黒字に転じる。&wc4;未成熟な債権国の段階では、経常収支の黒字が続き、債務の返済が進み債権国となり、所得収支が黒字に。&wc5;成熟した債権国の段階では、高齢化や賃金の上昇などから国際競争力が低下し貿易収支は赤字になるが、増大した対外資産からの収入で所得収支の黒字が拡大するため、経常収支は黒字を維持する。&wc6;債権取り崩し国の段階では、貿易収支の赤字が拡大し、所得収支の黒字を上回ることによって、経常収支は赤字となり、対外資産は減少へ向かう。このように経済発展に応じて、経常収支は赤字→黒字→赤字と推移していく。日本は、現在&wc4;未成熟な債権国の段階にあるが、高齢化などに伴い、今後10年以上の年月をかけて&wc5;成熟した債権国から&wc6;債権取り崩し国へと徐々に移行していくと考えられる。債権取り崩し国の代表はアメリカである。
【参照キーワード】

経常収支




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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