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信用危機
【しんようきき】


Credit Crisis

金融システム全体に信用不安が広まり、金融市場が機能しなくなった状態。このような状態では、金融機関は貸出を制限するなど信用創造機能が阻害され、その結果、企業の資金繰りの悪化や設備投資が抑制されることで経済全体が停滞し、さらにそれが信用不安を高めるというスパイラル的な悪化を招く。以前は、1つの銀行への取り付け騒ぎが他の銀行の連鎖破綻を招くというのが典型的なパターンであったが、預金保険が整備され、金融市場の発達した現在では、金融商品を中心とした経路へと変化している。すなわち、金融市場では日々金融資産に値付けがされ、その値段で取引されることが前提となっているが、取引相手に対する信用リスクが高まることや、市場参加者のすべてが安全資産を保有しようとし、誰も危険資産を購入しなくなることでリスクの高い金融資産が取引されなくなる状態である。このような状態では、金融機関は必要以上に手元資金を確保しようとし、貸し渋りなどが発生する。また、手元資金が不足する金融機関が発生し、最悪の場合破綻に陥ることになる。最近の信用危機としては、1998年の「LTCM危機」や、2008年の「リーマン・ショック」に端を発した金融危機が代表例である。
【参照キーワード】

リーマン・ショック




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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