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テイラー・ルール
【ていらーるーる】


Taylor Rule

ジョン・テイラーが提唱した金融政策ルール。政策金利=均衡実質金利+目標インフレ率+α×(インフレ率-目標インフレ率)+β×(実質GDP成長率-潜在成長率)で表される。均衡実質金利とは、おおまかに言えば、経済が需給ギャップのない状態で潜在成長率並の成長を続けるという定常状態にある場合に成立する実質利子率で、中立金利、自然利子率とも呼ばれる。α、βはそれぞれインフレ率の目標からのかい離と、実質GDP成長率の潜在成長率からのかい離(GDPギャップ)に対する感応度で、過去のデータから推計される。テイラー・ルールでは、均衡実質金利、目標インフレ率、潜在成長率が既知として扱われ、インフレ率の目標からのかい離と、経済全体の需要と供給のかい離であるGDPギャップによって、政策金利を緩和的にすべきか、引き締め的にすべきかが示される。テイラー・ルールのメリットは、物価や景気の安定を目標とする中央銀行の行動に即していることであり、過去の金融政策についての説明力が高かったことから注目が集まった。一方で、テイラー・ルールで既知とされる均衡実質金利や潜在成長率を正確に推計することが難しいことや、過去から推計されたαやβが他の時期についても当てはまるとは必ずしも言えないなどの限界も指摘されている。
【参照キーワード】

自然利子率
政策金利
潜在成長率
GDPギャップ




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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