ナッシュ均衡
【なっしゅきんこう】
Nash Equilibrium
相手が戦略を変えない時、どのプレイヤーも自らの戦略を変更することによってさらなる利得を獲得できない戦略の組み合わせを言う。つまり、相手が同じ行動を取り続けるならば、自分の行動を変えても新たな利得を獲得できない状況を指す。数学者のナッシュによって提唱された非協力ゲームにおける均衡の1つで、現代のゲーム理論におけるもっとも基本的な均衡概念。ナッシュ均衡では、プレイヤー全員が最適な戦略を選択しており、どのプレイヤーも戦略を変更するインセンティブを持たない。そのため、ナッシュ均衡はゲームの最終的な落ち着き先を示している。また、ナッシュ均衡はプレイヤーにとっての最適な戦略ではあるが、必ずしも最良の戦略とはならない。その代表例が「囚人のジレンマ」である。すべてのゲームは最低1つのナッシュ均衡を持っているが、その個数は1つとは限らず、複数のナッシュ均衡を持つゲームも存在する。複数のナッシュ均衡を持つゲームでは、協調することが大切になるが、相手の戦略がわからない時、どの均衡点に達するかが判断できない。このような問題を均衡選択の問題という。
【参照キーワード】
→ゲーム理論
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| 日経BP社 「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」 JLogosID : 8516891 |