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ニクソン・ショック
【にくそんしょっく】


Nixon Shock

1971年8月15日、米国のニクソン大統領がドルと金の交換停止を電撃的に発表し、世界各国が大きな衝撃を受けた事件。ドル・ショックともいわれる。
第二次世界大戦後の世界通貨体制であるブレトンウッズ体制は、「金ドル本位制」とも言われるとおり、米国の圧倒的な経済力を背景に、ドルのみが金との交換を保証され(1オンス=35ドル)、各国通貨はドルを介して間接的に金と結びつく制度であった(円は1ドル=360円)。しかし、1960年代後半になると、米国ではベトナム戦争などの影響で財政赤字が拡大するとともに、日本や西ドイツの生産力向上もあって経常赤字が大きく膨らんだ。このため、ドルが米国から海外に大量に流出し、ドルに対する信認が動揺した。これにより、諸外国の間でドルを金に交換することを要求する動きが強まり、米国における金準備の減少が加速、金とドルとの交換に応じることが次第に困難になっていった。また、経常黒字国の日本の円や西ドイツのマルクに対して投機買いが殺到するようになった。こうした中、西ドイツは二度にわたってマルクを切り上げたが、日本が円の切り上げを頑なに拒否したこともあって、米国は通貨制度の運営に行き詰まり、1971年8月15日、ニクソン大統領が突如「ドルと金の交換停止」を発表するに至る。これにより、ブレトンウッズ体制は崩壊した。その後、1971年12月の「スミソニアン合意」によって各国の対ドルレートが切り上げられたが(円は1ドル=308円に切り上げ)、既に金との交換が停止された中ではドルの先安観はおさまらず、結局は主要国の大半が変動為替相場制へ移行していくことになる。
【参照キーワード】

ブレトンウッズ体制




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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