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排出量取引
【はいしゅつりょうとりひき】


Emission Trading

国や企業に割り当てられる、二酸化炭素などの温暖化ガスを一定量排出する権利を排出権という。排出量取引とは、実際の排出量が割り当ての範囲内に収まった場合、余剰分を売り、実際の排出量が割り当ての範囲内に収まらない場合、権利を買うといった取引を指す。経済的利益が与えられることによって排出量削減へのインセンティブが働き、総排出量を一定範囲に抑えることが可能となる。排出量取引は、1997年に議決された京都議定書に取り入れられた「京都メカニズム」と呼ばれる温暖化ガス排出量の削減目標達成のための柔軟化措置として設けられた。京都メカニズムには、&wc1;先進国が発展途上国に資金や技術を供与し、温暖化ガス削減の事業を実施するクリーン開発メカニズム(CDM)、&wc2;先進国同士で排出削減事業を行う共同実施(JI)、&wc3;先進国間で排出権を売買する排出量取引(ET)の3種類がある。&wc1;により生まれる排出権はCERと呼ばれ、&wc2;により生まれる排出権はERUと呼ばれる。なお、ヨーロッパには2005年に設立した独自の域内排出量取引制度(EU-ETS)がある。わが国の国内排出量取引は、2008年秋、試行開始されたが、参加の有無は企業が自主的に決定し、排出量目標は企業等が自主的に設定する。目標達成のために、他企業の超過達成分や京都クレジットの活用の他、大企業が中小企業に対して行う排出削減のための技術提供等の見返りに得る国内クレジットが取引の対象となる。




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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