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バランスシート調整
【ばらんすしーとちょうせい】


Balance Sheet Adjustment

資産価格の下落や過剰投資などによって、企業が過小資本に陥った(すなわち過剰債務を抱えるようになった)場合に、バランスシートの健全化を図るため、資産の圧縮および債務の削減を進めることをいう。資産を圧縮するために、新規の設備投資の抑制や保有資産の売却などが行われ、債務の返済のために、経費の抑制によるフローの収支改善や金融資産の取り崩しなどが実施される。バランスシート調整は、経済全体にとっては不況をもたらす要因となる。日本の場合、1980年代後半のバブル期に企業が多額の借金を行って不動産などへの投資を活発化したが、その後、1990年代に入って、不動産価格が大きく下落した。これにより、過剰債務を抱え込んだ企業がバランスシート調整を進めたことが、景気の長期低迷を招く大きな要因となった。企業だけではなく、家計でも同様のことが起こりうる。米国では2000年頃から住宅投資が活発化し、住宅バブルと言われる状況となったが、2006年頃から住宅価格が下落に転じた。これにより過剰債務を抱えた家計のバランスシート調整が進み、景気悪化の要因となった。




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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