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フィッシャー方程式
【ふぃっしゃーほうていしき】


Fisher Equation

アーヴィング・フィッシャーが示した、物価、実質利子率、名目利子率の関係式で、次のように表される。
 実質利子率=名目利子率-期待インフレ率
名目利子率とは、日常生活で使用される金利のことで、期待インフレ率とは、人々が予想している将来の物価上昇率である。実質利子率はこの差となる。もし、100万円を2%の名目金利で預金をすると、1年後には元本と2%の金利を足した102万円を手にすることになる。しかし、その1年の間に2%の物価上昇が起こるとすると、結局1年後に買えるものは今と変わらない。つまり実質的には利子率はゼロだったことになる。そのため、人々の経済活動に影響を与えるのは主として実質利子率ということになる。期待インフレ率が変化しない短期の世界では、実質利子率を低下させるには名目利子率を低下させるとよいとされるが、古典派の理論に従えば、長期的には、実質利子率は投資と貯蓄が均衡する水準に決まるため、名目利子率と期待インフレ率の変化が相殺され、実質利子率には影響を及ぼさないとされる。
上記の式を書き換えると次のようになる。
 名目利子率=実質利子率+期待インフレ率
これは1%の期待インフレ率の上昇が1%の名目金利の上昇を起こすことを示しており、これをフィッシャー効果と呼ぶ。
【参照キーワード】

古典派




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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