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フォワード・ルッキング
【ふぉわーどるっきんぐ】


Forward Looking

主として中央銀行の政策運営スタンスを論じる際に用いられる用語。経済の将来予想に基づいて政策運営スタンスを決めることを指して、「フォワード・ルッキングな政策運営を行う」というように用いられる。これに対し、過去のデータにのみ依存して運営する場合は、「バックワード・ルッキングな政策運営」ということになる。最適な金融政策は、中央銀行と民間経済主体の双方が、将来の予想まで織り込んで自らの行動を最適化する中で決まる。将来予想の中には、「互いの出方」も含まれることから、金融政策の問題は、中央銀行と民間経済主体の双方がフォワード・ルッキングな行動をとる中でのゲームの問題ということになる。伝統的なIS-LMモデルはバックワード・ルッキングなモデル、将来の予想に関わる変数をモデルの中に織り込んだニューIS-LMモデルフォワード・ルッキングなモデルと言える。1990年代以降急速に発展した最適金融政策の理論は、ニューIS-LMモデルをバックグラウンドとしている。フォワード・ルッキングモデルに基づいた場合、中央銀行はなんらかの政策目標にコミットして政策運営を行う方が有用であることが理論的に示される。そのため、インフレ目標策と密接に結び付く形で研究が深められてきた経緯がある。
【参照キーワード】

IS-LMモデル




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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