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マンデル=フレミング・モデル
【まんでるふれみんぐもでる】


Mundel-Fleming Model

IS-LMモデルに海外部門を組み込んだ短期の開放経済モデル。基本的なマンデル=フレミング・モデルでは、国際資本移動が完全に自由な小国という仮定が置かれている。すなわち、必要な資金を必要なだけ世界の金融市場で自由に貸し借りすることができるほか、利子率は世界利子率(図の均衡点&wc1;の利子率)で決まり、その国の行動は世界利子率に影響を及ぼさない。この仮定の利点は、利子率が固定されるため、為替レートの動きによる経済への影響を捉えやすいことにある。このモデルによると、例えば変動為替相場制下での財政政策は無効となる。拡張的な財政政策はIS曲線を図表1のように右方に移動させ、均衡点は&wc1;→&wc2;に移動する。&wc2;の均衡点は自国の利子率が世界利子率を上回っているため、海外から資金が流入する。変動為替相場制では、資金の流入は自国の通貨高を招き、その結果、貿易・サービス収支が悪化することにより、IS曲線が左方に移動し、均衡点は&wc2;→&wc3;と元の均衡点に戻ることになる。一方で、金融政策は有効となる。緩和的な金融政策は、図表2のようにLM曲線を右方に移動させ、均衡点は&wc1;→&wc2;に移動する。&wc2;の均衡点では利子率が世界利子率を下回っているため、資金の流出が起こり、自国の通貨安を招く。その結果、貿易・サービス収支が改善し、IS曲線の右方シフトが起こり、均衡点は&wc2;→&wc3;へ移動する。新しい均衡点は始めの所得を上回っているため、変動為替相場制下での金融政策は有効と言える。

【参照キーワード】

IS-LMモデル




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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