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ワルラスの法則
【わるらすのほうそく】


経済全体における総需要価額と総供給価額が一致するため、n個の市場が存在する経済で、(n-1)個の市場が均衡していれば、残りの1つの市場も必ず均衡するという考え方。限界効用理論を確立した19世紀の経済学者の1人であるL.ワルラスが唱えた。ある市場で超過供給が存在することは、必ず違う市場で超過需要が存在することを意味するため、全体での超過供給は発生しない。したがって、もし2つの市場しかない場合には、1つの市場を分析すれば、もう1つの市場は分析しなくともわかるということになる。特定の市場における価格と需給量の決定をあつかう「部分均衡分析」に対し、多くの財を含む市場全体における価格と需給量の同時決定を扱う「一般均衡分析」の基礎になった考え方である。ワルラスは「一般均衡理論の父」と評されている。
後年、R.クラウアーは、古典派ケインズ理論の違いを、ワルラスの法則が計画段階での市場で成立するか、実現した市場で成立するかという視点から整理した(クラウアー・モデル)。
【参照キーワード】

古典派
ケインズ理論




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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