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SDR
【えすでぃーあーる】


IMF Special Drawing Right

IMF特別引出権。金や外貨など既存の外貨準備資産を補完するために、国際通貨基金IMF)が創り出した国際的流動性のこと。1968年に創設された。IMFは、加盟国に対して出資割当額(クォータ)に比例したSDRを配分する。加盟国は外貨が不足した時などに、外貨を豊富に保有している国にSDRを引き渡す代わりに、その国から外貨の提供を受けることができる。SDRの価値は、制度導入当初は1SDRが純金0.888671グラムに等しいとされていた。現在は、ユーロ、円、ポンド、米ドルのバスケットで計算され、日々変動している。なお、バスケットの構成は5年ごとに見直しが実施される。SDRはもともと、ブレトンウッズ体制を維持するために考案された。当時、世界経済の成長を背景に国際的な流動性の拡充が課題となっていたが、もし、必要な流動性がすべて米国の経常赤字拡大によるドル供給の増加でもたらされると、いずれはドルの信認低下につながるという懸念が高まったことが背景である。ブレトンウッズ体制崩壊後はSDRの国際流動性としての役割は縮小してきた。ただ最近は、ドルに代わる基軸通貨としてSDRの役割を拡大すべきだとの議論も出てきている。
【参照キーワード】

ブレトンウッズ体制
IMF




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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