100辞書・辞典一括検索

JLogos

12

UV曲線
【ゆーぶいきょくせん】


Unemployment-Vacancy Curve

縦軸に雇用失業率、横軸に欠員率をとり、両者の組み合わせをプロットした点を結ぶことによってできる曲線をUV曲線という。ここで言う雇用失業率とは、自営業者を除いた失業率であり、完全失業率とは異なる概念である。また、欠員率とは、企業の求人が埋まらない比率で、欠員数÷労働需要量=(有効求人数-就職件数)÷(有効求人数-就職件数+雇用者数)で算出する。完全失業率ではなく、雇用失業率を用いるのは、企業の求人を基に算出される欠員率とベースを合わせるためである。企業の欠員率が上昇(低下)すれば、企業は雇用を増や(減ら)そうとするため、雇用失業率は低下(上昇)する。このため、UV曲線は右下がりの形をとる。UV曲線では、曲線上の移動によって労働需給の変化を表すことができる。ある時点に比べてUV曲線上の居所が右下に動くほど(雇用失業率が低下し、欠員率が上昇)、労働需給が改善している様子を示すのに対し、逆に左上に動くほど(雇用失業率が上昇し、欠員率が低下)労働需給が悪化している様子を示す。雇用失業率が欠員率と一致する点、つまりUV曲線と原点を通る45度線との交点が労働需給が均衡している状態であり、この時の雇用失業率を均衡失業率と呼ぶ。また、UV曲線のシフトによって労働市場におけるミスマッチの動きを把握することも可能である。ミスマッチとは、例えば必要な技術を持った求職者が見当たらない、希望する職種で求人がないなど、労働需給がうまく噛み合わない状態を指す。UV曲線が原点から離れるほど、ミスマッチが拡大している様子を示す。

【参照キーワード】

失業率




(c)2009 A&A partners/TMI Associates/ Booz&Company(Japan)Inc./ Meiji Yasuda Insurance Company
日経BP社
「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
JLogosID : 8516958