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購買関与度
【こうばいかんよど】


消費者購買行動を理解するうえでの重要な概念の1つ。消費者にとって重要な購買意思決定を行う場合、すなわち高額商品を購入する場合や、リスクのある商品を購入する場合、自分のライフスタイルやこだわりの分野に深く関わる商品を購買する場合などでは、消費者は多大な時間と労力を費やして、情報収集や比較検討を行うが、こうした購買行動を高関与購買と呼ぶ。一方、安価な商品、リスクのない商品、こだわりのない分野の商品、購買頻度が高い商品、などの購買においては、消費者はあまり時間や労力をかけずに購買意思決定を行うが、これは低関与購買と呼ばれる。
高度成長期の耐久消費財(電化製品・自動車)の高関与購買では、リスクの低い製品を選択する際の判断基準として、有名な企業の製品であるという要素がリスクを削減する手段として用いられた。このため、企業名ブランドを大量広告で浸透させ、不良品である可能性が低いということを訴求する手法が、かつては多く取られた。しかし近年では不良品リスクが下がったこと、消費者がネットなどの多様な手段で情報収集をできるようになったことから、高関与購買ではマス広告の有効性が低下している。高関与購買は消費者が時間をかけて情報収集・比較検討を行うため、その段階のどこにどう訴求するかを考えることが重要であり、その枠組みはパーチェス・ファネルと呼ばれる。
一方、低関与購買の場合は、広告を見て記憶した商品を店頭で購買する傾向があると考えられ、そうした場合のマーケティングとしてAIDMAの法則が有効とされてきた。ただし、マーケティングROIを重視しようという近年の風潮の中では、高額なマス広告以外の手段でも消費者購買行動に影響を与えられるという考えが登場している。
【参照キーワード】

マーケティングROI
AIDMAの法則




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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