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シェアード・サービス
【しぇあーどさーびす】


Shared Service

シェアード・サービスとは、複数の組織(部門、本社/支社、工場、店舗等)で実施されている非コア業務を別組織(シェアード・サービスセンター:SSC)に集約することで、業務品質改善と効率向上をする仕組みである。SSCのサービスは他組織に対して基本的に有償で提供されるほか、グループ外企業へのサービス外販を行うケースもある。また業務内容としては、経理、人事および総務などの間接業務が中心となる。SSCのメリットとして、&wc1;業務集約・効率向上に伴うコスト削減およびサービスレベル向上のほか、&wc2;委託元の組織におけるコア業務への集中化、&wc3;経営情報の集約による情報アクセスおよび管理の容易化、などがあげられる。日系企業では、1990年代半ばに米国の経営手法として紹介されて以来、初期には三菱商事、オムロン、横河電気など、その後イオン、ヤマト運輸、新日本石油など多数の企業で導入・実施された。
ただし、理論上のメリットを十分に得られていないケースも見られる。例えば、日系企業では米系企業と比べて個人もしくは部門の業務範囲が曖昧である場合が多いことから、非コア業務をきれいに切り出すことが困難であり、SSC導入後に業務不全を起こすケースがある。また、事業部門からの問合せに対するSSCからの回答体制が不十分であるために、本来は事業部門業務の効率化に寄与すべきSSCが逆にボトルネックとなってしまうという問題も見られる。これらの問題を回避するには、SSCに切り出すべき業務の棚卸しと定量化、およびSSCと他部門の連携体制の確立を中長期的な視点で実施することが必要だと考えられる。




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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