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手段目的連鎖モデル
【しゅだんもくてきれんさもでる】


消費者が購買の意思決定を行う際の製品知識がいくつかの階層構造をなしているとする説。その階層は、&wc1;具体的属性に関する知識、&wc2;抽象的属性に関する知識、&wc3;機能的結果に関する知識、&wc4;社会・心理的結果に関する知識、&wc5;手段的価値に関する知識、&wc6;究極的価値に関する知識となっている。&wc1;の具体的属性とは、製品の有形で物的な特性のことであり、例えば毛布における繊維の種類や自動車における前席の足回りの広さなどである。一方、&wc2;の抽象的属性とは、製品の無形で主観的な特性のことであり、例えば毛布の品質や自動車のスタイリッシュ度などである。&wc3;の機能的結果とは、消費者が直接的に経験する製品使用の成果のことであり、例えば歯磨き粉が歯を白くするということを指す。一方、&wc4;の社会・心理的結果とは、製品を使用した結果、消費者自身がどのような心理的変化(気分がよくなるなど)、もしくは社会的変化(他人からカッコよく見られるなど)を得られるかに関するものである。&wc5;の手段的価値とは、その商品を買うことが自分の行動パターンやライフスタイルとの整合性があるかどうかであり、&wc6;の究極的価値とは、人生において達成しようとしている目標のようなものである。
ブランドとは、もともと製品属性を見分けるための印として作られたものであるが、消費者が情報を縮約しようとすると、便益(おいしかった、気持ちよかった、誉められた)や価値(自分のライフスタイルに合っている)に関する情報もブランドに関連付けられるようになる。こうした階層間の連鎖のことを「手段-目的連鎖」と呼ぶ。低次の属性レベルの知識は、より高次の結果や価値を達成するための手段として認識されるのである。
消費者にとって重要でない製品の場合、高次の目的にまでは関連付けられていない。しかし重要な製品の場合は、あるブランド要素は、より高次の目的を達成するための手段となる。この関係性を解き明かすためには「あなたが○○を買うのはなぜですか」「××だから」「それはなぜですか」と繰り返し質問を行って、より高次の目的を探るというラダリング・インタビューを行う。




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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