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セグメンテーション
【せぐめんてーしょん】


Segmentation

市場や顧客を分けて考えること。市場が未成熟な段階では、1つの製品やサービスが万人を満足させることがあり得るが、新規参入者が顧客の満たされないニーズを汲み取った製品を供給するようになると、万人向けに投入された製品は魅力を減じていく。フォードが「T型モデル」に固執している間にゼネラル・モーターズ(GM)が異なる顧客グループごとのニーズにあった車種を投入し、あっという間にシェアを逆転したのはセグメンテーションの有効性の好例。これを究極まで追求すると、segment of oneという個客対応になっていく。
セグメンテーションのやり方には、性別や年齢等に基づくデモグラフィック・セグメンテーション、ニーズの違いに基づくセグメンテーション、消費者の価値観や行動に基づくセグメンテーションなどがある。デモグラフィック・セグメンテーションは、量を把握しやすいという長所があるが、1つのセグメントは同じニーズや価値観をもつ顧客で構成されているわけではなく、打ち手に対する反応率は高くない場合が多い。一方、ニーズ、価値観、行動に基づくセグメンテーションは、打ち手に対する反応は高いが、量的把握および到達方法を考えるのが難しい。
「市場セグメンテーション」→「ターゲッティング」→「ポジショニング」の流れはSTPと呼ばれ、マーケティングの定石の1つである。市場が成熟すると、STPに則ってより細かなセグメンテーションを行い、各セグメントの要求に合致した製品を投入しようするが、これを繰り返すとターゲット市場は小さくなり、たとえ新商品がヒットしても大きな利益を見込めないことが多くなってきている。




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日経BP社
「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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