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超予算経営モデル
【ちょうよさんけいえいもでる】


年度予算の形骸化を防ぎ、企業経営に柔軟性と戦略性を取り戻すために、敢えて年度予算を持たずに経営管理を行っていくマネジメント手法のこと。「脱予算経営モデル」、あるいは「BBM(Beyond Budgeting Model)」とも呼ばれる。欧州における産学共同の分科会であるBBRT(Beyond Budgeting Round Table)が1998年に提唱した比較的新しい経営管理モデルである。予算管理制度は、これまで企業の業績管理や目標管理の中核を担ってきたが、BBRTは伝統的な予算管理制度には、次のような問題があると指摘している。&wc1;予算策定に投入される時間やコストは膨大だが費用対効果が非常に低い、&wc2;年度など期間が固定されているため、期中の状況変化に対して柔軟に対応できない、&wc3;現場レベルでは数字合わせに意識が向きがちになり戦略と乖離した行動を取ってしまう、&wc4;期末の業績評価を巡って社内政治が発生したり、場合によっては不正行為に発展する、&wc5;予算策定単位ごとの部分最適に陥り、組織横断的な活動が妨げられる。超予算経営モデルは、予算管理制度が抱える以上のような弊害を解決する手法として考え出された。より現実に沿った柔軟な経営を行うために、財務目標と戦略の見直し(ローリング)を固定的に1年単位と決めるのではなく、それぞれの事業特性に応じてローリングのサイクルを切り替えたり、また、予算達成以外の方法で業績評価を実施する(例えば、戦略の着実な実行を担保する非財務系指標の評価ウェイトを増やしたり、期末における対競合あるいは部署間の相対評価を行う)ことなどが提唱されている。




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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