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トレーサビリティ
【とれーさびりてぃ】


Traceability

商品の安全性を確保するため、該当商品の原料調達、生産、販売、廃棄などの流通過程(日時、所在、使用法)を記録し、追跡可能な状態に管理する仕組みを意味する。主に商品の安全性・品質を確証するための産地証明や、問題発生時のリコール対象の割出しなどに用いられる。特に近年のBSE問題、食中毒問題、産地や製造年月日偽装の影響により食品の安全性を確保する上で強化すべき仕組みとして議論することが多い。
トレーサビリティは一般的にトレーサビリティ・システムというITシステムによって情報が管理されており、商品に紐付いたバーコードやRFID(非接触ICによる固体識別)を各流通過程でスキャンすることにより履歴情報の蓄積を実現している。また、トレーサビリティ・システムは、次の2つの機能により蓄積した情報を活用する。&wc1;トレースフォワード:商品の原料から完成品の販売に至るまでの時系列な製造過程の追跡、&wc2;トレースバック:商品の販売先から製造元、原料を辿る製造履歴を元とした追跡。
現行のトレーサビリティの問題として、各工程の事業者によって異なった管理手法を用いていることが多く、分断された情報を「継ぎ合わせる」ことに時間を要することがあげられる。したがってグローバル主導の管理手法の統一化が求められており、現時点では2010年からの利用が承認されている国際流通標準化機関GS1の規格が今後の標準として有力視されている。




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日経BP社
「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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