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ナレッジ・マネジメント
【なれっじまねじめんと】


Knowledge Management

組織内の個人やグループが有するナレッジ(知識や知恵)を組織全体で管理・共有し、有効活用することで、企業の競争力を向上させる経営手法のこと。ナレッジ・マネジメントの重要性が高まってきた背景には、「ヒト、モノ、カネ、情報」に続く5番目の経営資源としての「ナレッジ(知識や知恵)」の活用に企業の注目が集まっていることがある。市場が成熟し競争が激化していく中で、社員一人一人がバラバラに持っている知識や経験、ノウハウを融合させ、イノベーションを創出していく必要性が今まで以上に求められている。例えば、営業マンの個々が持つ知識やノウハウを営業部全体で共有し、営業活動のレベルアップを狙うような場合、具体的には、日報や月報などを管理する文書管理システムなどのITツールを導入し、営業マン個々が持つ情報を営業部内で共有し今後の方針を議論したり、営業マンが過去の活動事例を検索できるようにするわけだが、残念ながら、このように導入されたナレッジ・マネジメントのツールがうまく稼動し、成功した事例はきわめて少ない。先の例でも、例えば過去の営業事例を検索しようとしても、何の情報も登録されていなかったり、数ヵ月前から更新されていなかったりする。膨大な時間と費用をつぎ込んだシステムなのだが、結局スケジュール管理機能しか使われていないといったことが起きている。このような場合、往々にして、営業マンが多忙なため頻繁に報告しにくいとか、自分の営業手法をライバルに知られたくないため積極的に報告しない、あるいは、情報は登録されているが、上司が無視して指示を出してしまうなど、システムとは関係のない問題が背景にあることが多い。ナレッジ・マネジメントを情報管理システムの問題と捉えると失敗してしまう。ナレッジ・マネジメントが成功するには、「情報システムの構築」と「社員の意識や働き方の変革」の両輪がガッチリ噛みあうことが必要である。




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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