100辞書・辞典一括検索

JLogos

13

バリュー・アット・リスク
【ばりゅーあっとりすく】


Value at Risk:VaR

一定の確率を前提として、ある資産を一定期間保有することによって発生しうる最大の損失額をバリュー・アット・リスクと呼ぶ。英語の頭文字をとって「VaR」と表記されるのが一般的である。この手法は、現在保有している取引のポジションがどの程度のリスクを抱えているかを推定する方法である。例えば、「信頼区間を99%としたときに、ある株式を1日保有するVaRは500万円である」とした場合は、500万以上の損失を被る可能性は100分の1であるということを意味する。VaRを算出するに際してのパラメーターには、ポジションの「保有期間」、どれだけの確率をカバーするかの「信頼区間」、金利や為替相場の変動率である「ボラティリティ」などがある。保有期間は、保有するポジションやポートフォリオがリスクにさらされている期間であり、商品や市場によって、1日、1週間、1ヵ月などと設定される。信頼区間とは、どこまでのリスクの確率に対応しようとするかの範囲と言える。現在保有するポジションやポートフォリオの損益変動率が正規分布に従うと考え、その変動率が全体の平均値からどの程度の散らばり(標準偏差)を示しているかにより、リスクを推定する。ボラティリティは、金利や相場の変動率を標準偏差で示したものである。将来のボラティリティを算出するためには、過去のデータを基づいて推測を行う必要がある。バリュー・アット・リスクを活用することで、投資家は価格が変動する金融商品のリスクを単一の指標で一元的に管理することができることから、リスクコントロールのツールとして有効だと考えられている。




(c)2009 A&A partners/TMI Associates/ Booz&Company(Japan)Inc./ Meiji Yasuda Insurance Company
日経BP社
「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
JLogosID : 8517070