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フォレスター効果
【ふぉれすたーこうか】


Forrester Effect

市場の僅かな需要変動がサプライチェーンの上流にいくにつれて、大きな振幅を引き起こすこと。複数の意思決定者の存在、予測の不確実性、情報伝達のバイアス、長いリードタイムなどを原因とし、サプライチェーン全体に、必要以上に多い在庫、または過少在庫とそれに伴う欠品(見かけの需要が多くなり、実需要より過剰に出荷することで)を引き起こす。システムダイナミックスの権威であるマサチューセッツ工科大学のフォレスター(J.W.Forrester)教授が1961年に発表した。「ブルウィップ効果」とも呼ばれる。フォレスター教授の時代は問題の指摘はできても、抜本的な解決策は示せなかった。というのは情報伝達の速度や予測制度には限界があり(当時はメーカにとっての販売の最前線とは地の果てのようなものであった)、大量生産指向の製造システムも柔軟性を前提としたものでなかったためである。現在、コンサルティングの現場において、特に海外と国内の生産拠点「間」のサプライチェーンをデータに基づき検証すると、フォレスター効果が生じている場合が多々ある。




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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