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ブランディング
【ぶらんでぃんぐ】


Branding

企業が顧客にとって価値のあるブランドを構築するための活動。顧客が性能や品質といったハード面による差異を識別することが困難になっている現代では、企業はブランディングによって差別化を図ることが重要と認識されている。ブランドの語源は、他者の家畜と区別するための手段として家畜に焼印をつけていたことに由来するといわれる。消費者の側からみると、ブランドにより、商品やサービスの購入時に比較検討の労を省くことができる。例えば、ファッションの選択において自分のイメージに相応しいものを選択できるとか、ホテルやレストランといったサービスの選択において失敗を防ぐことができる。
ブランディングは、ロゴやブランドネーム、パッケージなどのブランド要素の組合せを適切に設定し、顧客へ働きかけて、競合企業の製品やサービスとの差異を明確にする。その結果、顧客は自社の製品やサービスを他社のそれらと区別して選択購買する確率が高まる。ブランドの認知度やイメージの向上は、消費者の意思決定を単純化して反復購買に結びつくだけでなく、消費者がブランドに感じる付加価値を高めて高価格を正当化することも可能になる。外食やホテル、あるいは金融といったサービス業においては、従業員の行動そのものがブランドの形成に直接影響を及ぼすので、ブランディング活動が組織の内部に向けられることも多い。
ブランドは個々の消費者の頭や心の中に宿るものなので、企業が主張するだけでは確立することができない。今日、企業はブランドの本質をいかに顧客に体験してもらうかで凌ぎを削っている。この点も、広告宣伝費のマス広告からイベントやスポンサーシップ、あるいはナイキタウンといったメーカーが直接顧客と接点を得る場へのシフトを促している。




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日経BP社
「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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