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プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント
【ぷろだくとぽーとふぉりおまねじめんと】


Product Portfolio Management:PPM

多角化して複数の事業を持つ企業が、各事業分野に振り向ける経営資源を決定するための理論的枠組み。1977年に経営コンサルティング会社ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が発表し、1970-80年代に特に影響力を持った。PPMでは各事業を「市場の成長率」と「自社の市場トップ企業に対する市場シェア(相対市場シェア)」の2つのパラメータで評価する。各パラメータの高低により各事業を4つのグループに分類し、グループごとに資源投下方針を示す。&wc1;問題児(problem child)グループ(市場成長率=高、相対市場シェア=低):キャッシュアウトが多くなるが、新規市場においてシェアを高めて競争力をつけるため積極投資を行う、&wc2;花形(star)グループ(市場成長率=高、相対市場シェア=高):成長市場において競争が激しく、現在のシェアを維持するためにも積極投資を行う、&wc3;金のなる木(cash cow)グループ(市場成長率=低、相対市場シェア=高):市場は衰退期に入り、競合の退出で競争が緩和するため少ない投資で高い収益が見込める、&wc4;負け犬(dog)グループ(市場成長率=低、相対市場シェア=低):市場は衰退期に入り、自社競争力も高くないため、事業売却・縮小をし経営資源を別事業に配分する。
PPMで上記2つの評価パラメータを採用しているのは、2つの経済理論が背景にあるからである。1つは、プロダクトライフサイクル理論(各製品・サービスの市場は導入期から衰退期までの時系列的段階があり、各段階に於いて市場成長率・収益性が異なる)、もう1つは、経験曲線(価格競争力は累積生産量シェアによって決まる)である。PPMを応用した例として、1981年にゼネラル・エレクロリック(GE)のCEOに就任したジャック・ウェルチ(Jack Welch)が知られる。ウェルチはPPMを用い、各事業領域でシェア第1位か第2位になる見込みのない事業からは撤退するという戦略を取った。




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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