ポジショニング
【ぽじしょにんぐ】

Positioning

ターゲット顧客に対して、自社の製品やサービスを競合との関連の中で明確に位置づけること。ターゲットのニーズに合致した製品やサービスであるだけでは必要条件を満たしているに過ぎず、自社の製品やサービスが他社のそれから差別化されており、簡単に真似ができないものである場合にその製品やサービスの競争力は高い可能性をもつ。また、いったん強いポジショニングを獲得しても、顧客、環境、競合状況の変化によって、その地位は変化するため、常に見直す必要がある。例えば、高級車市場におけるメルセデスの「贅沢さ」に対し、BMWは「駆け抜ける悦び」は明確なポジショニングの例である。そして、アウディやレクサスの登場後は、両社とも基本を守りながらも、時代に合わせてそのポジショニングを微調整している。具体的なポジショニングの検討方法としては、消費者のブランドや商品、サービスに期待するニーズや便益を2軸で設定し、この2軸で構成される4つの象限に競合のブランドや商品、サービスの属性を評価して、配置することから始めることが多い。この分析により、競合関係が明確になる。これに基づき、競合に勝てるように自社のブランドや製品、サービスの改善をする、あるいは、根本的に別の位置に移動する、さらには、ホワイトスペースを発見して新ブランド、商品、サービスを投入する、といったことを検討する。

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日経BP社 「日経ビジネス　経済・経営用語辞典」 JLogosID : 8517101