100辞書・辞典一括検索

JLogos

37

見える化
【みえるか】


見える化」は、企業の日常的なオペレーションにおける問題を客観的な情報や数値で表面化・共有化することを指し、業務の現場レベルで課題の掘り下げや解決案の起草を促すものである。そして、この仕事の癖を現場につけることが「見える化」の目的である。元来、「見える化」とはトヨタ自動車の自律的な改善力・改革力に由来する。JIT(ジャスト・イン・タイム)生産システムの要素である「あんどん」や「かんばん」方式などに代表されるように、ライン工程のコストや効率、品質などの問題を早期に顕在化させる仕組みがことの発祥である。そして、問題の現象を目で見えるようにした上で、「3現主義」や「5回のなぜ?」を通して要因となる本質的な課題を徹底的に突き詰めることにより、根源的な問題解決を現場に体現させる。ただ、トヨタにおける「見える化」は、コスト削減や生産効率向上のための取り組みというよりも、「ムリ・ムダ・ムラ」を排除する自律神経や学習能力を組織の隅々まで浸透させる経営の考え方である。近年、「見える化」の考え方は自動車のような製造業のみならず幅広い業界の企業において、現場改革のキーワードとして注目されている。ものづくり企業でなくても、営業やサービスなど、日常業務があるところに「見える化」の仕組みを取り入れる。そして、現場に問題発見と課題解決の癖をつけさせてボトムアップに企業改革を図る考え方である。業務連鎖の可視化による問題の棚卸しと「魚骨図」などの分析手法を用いた課題の深堀りと解決提案が、一般的な例である。結果的に業務効率や品質改善を積み上げて、企業の収益向上につなげるマネジメント手法である。
【参照キーワード】

トヨタ生産方式




(c)2009 A&A partners/TMI Associates/ Booz&Company(Japan)Inc./ Meiji Yasuda Insurance Company
日経BP社
「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
JLogosID : 8517110