100辞書・辞典一括検索

JLogos

30

モーダルシフト
【もーだるしふと】


Modal Shift

モーダルシフトとは、輸送の主役を環境負荷の大きな自動車や航空機から、負荷の小さな鉄道や船舶へ切り替えることでCO〔sub〕2〔/sub〕排出量等を低減すると同時に、輸送費の削減を実現する手段である。一般的に500km以上で産業基礎物資以外の輸送に占める鉄道と船舶の割合をモーダルシフト(化)率と呼び、各企業のモーダルシフトの指標として用いられている。国土交通省と社団法人鉄道貨物協会はモーダルシフト率が30%以上の商品に「エコレールマーク」というロゴマークを制定した。民間企業がモーダルシフトを推進するにあたっては、自動車・飛行機と比較して鉄道・船舶の短所である&wc1;長い輸送時間(即納体制の構築が困難)、&wc2;一定量以上のまとまった輸送量、&wc3;工場と港・駅の間のトラック輸送体制を必要とするため、モーダルシフトに適した輸送物の選択と輸送経路全体での費用対効果の検討が必要である。最近では政府・自治体が主体となっている取り組みもあり、2009年2月に欧州委員会は環境に配慮した貨物輸送プロジェクトに向けて6200万ユーロの資金供給を発表し、海上ハイウェイ、道路交通の回避、および貨物輸送を陸上輸送からより環境に配慮した輸送形態に移行する3分野を推進予定である。欧州鉄道連盟によると、鉄道の世界市場は2016年には18兆円規模に達する見込みであり、鉄道車両製造国内最大手の川崎重工は多くの受注残を抱えフル操業の状況が続いている。国内でも富山市では自動車関連の技術が応用されたLRT(次世代型路面電車)やBRT(低床連接バス)を用いたモーダルシフト化を進める例がある。今後は、横浜市、北九州市、北海道帯広市などでも整備が進められる予定で、温暖化ガスを2050年までに半減以上することを目標に、地域特性を生かした持続可能な街づくりを推進している。




(c)2009 A&A partners/TMI Associates/ Booz&Company(Japan)Inc./ Meiji Yasuda Insurance Company
日経BP社
「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
JLogosID : 8517113