モラルハザード
【もらるはざーど】

Moral Hazard

保険などのリスクを回避するための手段や仕組みがあるために、リスク回避の努力が行われずにかえってリスク発生の危険性が高まってしまうこと。例えば、銀行が、預かった預金は預金保険で保護されることを前提として、リスク管理なしに無秩序にハイリスク商品へ投資を行ってしまうような場合を指す。かかる事態の防止のために、倫理的な基準を設ける他に、金融機関の健全経営の徹底の義務化、自己資本比率規制その他健全性を確保するための具体的な指標に基づいた各種規制の制定などの手段が講じられている。また、保険会社が保険の支払いを行う場合に一定金額を保険者側で負担させることで、リスクを意識した運転を促す場合など、モラルハザードを起こしそうな人にリスクを分担させるという対策もありうる。

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日経BP社 「日経ビジネス　経済・経営用語辞典」 JLogosID : 8517117