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3PL
【すりーぴーえる】


Third Party Logistics

一般的に、ある企業の物流業務の全体もしくは一部を包括して外部の(第三の)専門企業に委託する業務形態を示す。基本的に、倉庫運営と受発注業務の双方を請け負うといったような複数業務委託の場合に用いられ、単独業務の外注は3PLと称されない。日本では、バブル以降の選択と集中の流れの中で一般化してきている。ちなみに、定義自体はかなり曖昧であり、欧米においては1地域または1拠点の物流を包括的に受託するのが3PL、会社全体の物流管理を包括的に受託するものを4PLもしくはLLPと呼ぶケースもある。国内の3PL市場は荷主のアウトソース化の流れの中で成長基調にあり、需要は旺盛。サブプライム・ショック以降も業界からは「案件の引合いにはこと欠かない」という声が聞こえる。ただし、業界全般としては必ずしも「儲からない」という課題を抱える。理由は、正式受注の前段階で多大な先行検討を行うという業界慣習に加え、過剰コンペが発生しているためと考えられる。実際には3PLの力が備わっていない多数の既存物流業者が価格でムリをしてコンペに入札し、全体の価格レベルを下げているのである。さらに、これら力がない業者の安値受注時はオペレーション上も赤字となる場合が多い。業界構造の改善が求められる。
現状の国内3PLは未だ発展途上と言える。ロジスティクス機能のレベル段階としては、物流センター拠点等を中心としたオペレーション管理までの請負が中心であり、オペレーション/SCM(サプライチェーン・マネジメネント)全体設計まで本格的に価値を出しているケースは限定的である。市場としても、現状はメーカーから小売間の言わば川下市場中心で、サプライヤーからメーカー間の川上での展開は多くない。また、日本企業は雇用維持に敏感であり、本体・子会社物流を3PL化する際に既存人員の雇用問題にいかに対処するかが問われる等、他国にない課題も存在する。逆に言えば、日本企業では物流に関し、高度な専門性の蓄積を必ずしも持たない本体・子会社が行っているケースが多く、3PLによる改善ポテンシャルが大きいとも考えられる。




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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