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ABC
【えーびーしー】


Activity-Based Costing

活動基準原価計算と訳される原価計算方法の1つ。従来の原価計算に比べ、製品やサービスに対する間接費の配賦をより正しく行うことができる。ABCでは、「活動(アクティビティ)が資源を消費し、製品やサービスが活動を消費する」という考え方をベースに、2段階のコスト配賦を行う。まず資源(原価)を各活動に割り当て、この活動別原価(コストプール)を活動内容に沿って原価計算対象(製品など)に割り当てる。割り当ての基準は資源から活動へは資源作用因、活動から製品へは活動作用因と呼ばれ、併せて原価作用因(コストドライバー)と総称される。
上述のような手法を用い原価計算を行うため、ABCを行う場合、通常、事前に企業内のビジネスプロセスの調査を行い、各プロセスごとの活動をドキュメンテーションし、現状整理を行う。伝統的な原価計算では、製品と対応関係が不明確な製造間接費を、直接労務費や直接作業時間などの基準に基づいて各製品に配賦するが、コストの本来の発生要因とは異なるものを基準としてコストの配賦が行われる場合がある。製品種類数が少なく製品原価に占める直接費の割合が大きい場合は問題にならなかったが、大量生産から多品種少量生産への移行に伴う製品種類数の増大、FA化や原材料費の低減などに伴う間接費の増加により、各製品の収益性が実態とかけ離れたものになってきた。ABCは、こうした問題を解決すべく、製品にかかっているコストをできるだけ正確に把握する方法の1つとして、間接費の配賦計算をできるだけ実態に合わせて正しく行うという考え方から出てきたものである。
なお、伝統的な原価計算は、サービス業に当てはめることが困難だったが、ABCはサービスでもアクティビティに分解できることから、従来原価管理とは無縁とされていたサービス業でも取り入れられている。




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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