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ERM
【いーあーるえむ】


Enterprise Risk Management

企業経営に影響を与えうるすべてのリスク要因を共通の基準により評価し、企業全体の意思決定、業務遂行、資源配分等の妥当性・有効性を把握・検証するための手法。従来型のリスクマネジメントでは、事業部等の個別の組織単位でリスクの特定や重要度評価が行われており、企業体として見たときの全体最適化や適切な資源配分、分野横断的なリスクへの対応が、十分に行われないという問題が生じていた。これに対してERMでは、企業体全体の経営・運営の視点からリスク要因を洗い出して共通の基準で比較評価を行うことにより、対策の優先度や資源配分の優先順位を全社的観点から明確化することを志向している。リスク要因については、戦略、財務、オペレーション(事業運営)、危機管理等の多面的な観点が求められるため、組織横断体制による全社全部門による洗い出しが行われる。また、異なる性質のリスク間の比較評価を行う上では、各リスクの定量化(数値化)が必要であり、リスクの発生確率と、発生時の影響(財務的インパクト等)を評価指標に用いることが多い。ERMのフレームワークとしては、米国の「COSO ERM」が代表的である。




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日経BP社
「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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