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VE
【ぶいいー】


Value Engineering

価値工学。日本VE協会の定義では「最低の総コストで、必要な機能を確実に達成するために、組織的に、製品またはサービスの機能の研究を行う方法」とされるが、実際の現場では、製品設計前の原価低減策をVEと呼び、製品設計完了後の原価低減策をVA(Value Analysis)と呼んでいることが多い。VE/VAの概念は、2つのステップに分解される。最初のステップは、対象の製品やサービスの本来的な顧客必要価値の明確化である。顧客必要価値は、顧客の要求項目とそのレベルによって規定される。製品やサービスの必要項目とそのレベルは、現実的には過去の類似事例の横展開や、曖昧な感覚により決定されていることも多い。作業効率や意思決定スピードの観点からは、こうすることにメリットがあるためである。一方で、このような決め方は、往々にして過剰品質に陥りがちである。したがってVE/VAとしては、本当に顧客に求められる価値を厳しく見極めることがまずは重要になる。さらに次のステップとして、見極めた顧客必要価値を満たすのの最も効率的な手段を考え出し、既存の手法からこれに変更をする。具体的方法論としては、設計の簡素化や部品の共有化、プロセスの削減等多岐に及ぶ。実際の現場では、一般的に2番目のステップが熱心に行われている場合が多い。ただし、最初のステップ=顧客必要価値の明確化こそに、コスト低減インパクトが大きいケースも多い。定量的でわかりやすい項目の場合はまだしも、感性的で定量的に表現しづらい必要価値となると明確化は容易でないし、再定義に伴うリスクも大きい(顧客との品質トラブルにつながる等)。この点にいかに効果的かつ効率的に踏み込めるかが、VE/VAにとっての1つのチャレンジである。




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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