サブプライムローン
【さぶぷらいむろーん】

Subprime Mortgage

米国の金融機関が、信用力や返済能力が低い借り手に対して、通常のローン（prime loan）よりも高い金利で提供する不動産担保ローンのこと。ファニーメイ（連邦抵当金庫）やフレディマック（連邦住宅貸付抵当公社）が購入できる適格住宅ローンとはならない。初期の返済金額を抑えるために、頭金なしのローンや、逓増型（時間の経過とともに返済額が徐々に増加する）ローン、あるいは、逆償却の（時間の経過とともに利息が加わり借入残高が増えていく）ローンなどが提供される場合が多い。低所得者層でも利用しやすいという利点があるものの、返済の遅延や債務不履行が発生する確率が高くなるので、貸し手にとっては貸し倒れのリスクが高く、借り手にとっては住宅を差し押さえられたり競売によって失うリスクが高い。ITバブル崩壊後の超低金利政策を背景に広がった住宅バブルでは、多くの投資銀行が大量のサブプライムローンを購入してプールし、CDO（債務担保証券）をはじめとする証券化商品として世界中の投資家に販売したが、2007年に入るとサブプライムローンの債務不履行が続発し、証券化商品を保有していた金融機関が巨額の損失を抱える事態になり、これをきっかけに世界的な金融危機（サブプライム危機）が生じることになった。

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日経BP社 「日経ビジネス　経済・経営用語辞典」 JLogosID : 8517316